テレビカメラの視点で自分を見よ

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こんにちは。

 

仕事が順調に進んでいるときって、 自分でも驚くほど“怖いもの知らず”になってしまう瞬間はありませんか。

 

他人に厳しく接してしまったり、

自分の考えは間違っていないと思い込んだり、

「何とかなるだろう」で終わらせてしまったり・・・。

 

私もまさにそうでした。

 

成果が出て、周りから褒められ、気持ちがどんどん前に出ていく。

「このままいけるかもしれない」 そんな感覚が強くなると、視野が少しずつ狭くなっていくのに気づけなくなるんですよね。

 

でも、好調なときほど、本当は冷静さが必要です。

勢いに任せて走っていると、見えるはずのものが見えなくなる。

 

今回は、“自分を客観視すること”について、少しだけ書いてみたいと思います。

 

「テレビカメラの視点で自分を見よ。」

20代の頃、運が重なり、私は大きな成果を残すことができていました。

周囲からも期待されていると感じていて、正直なところ“怖いもの知らず”でした。

振り返ると、あの時の私は完全に“調子に乗っている若手社員”だったと思います。

実際には、先輩方の支えがあり、たまたま運が味方していただけなのに、それを自分の実力だと勘違いしていました。

 

  • 見えている世界は狭いのに、会社への愚痴ばかり飲み会で口にする
  • 同期との接点を避け、一匹狼のように振る舞う
  • 協力企業の方に対して強い態度をとる

 

今思えば、痛々しいほど横柄な若手社員の典型です。

そんな態度を続けていると、徐々に行動しても成果につながらなくなり、焦りが生まれました。

「なんでうまくいかないんだろう」と苛立ちだけが募っていく。

でも、その原因が“自分自身”にあることには、まったく気づけていませんでした。

 

そんなとき、尊敬する歳の離れた身内から、このことばをかけられました。

その一言で、まるで頭を軽く叩かれたような感覚がありました。

 

自分がどれだけ視野の狭い態度をとっていたか、 どれだけ周囲に支えられていたか、 どれだけ傲慢になっていたか。

一気に現実へ引き戻され、 胸の奥で「このままではいけない」と静かに火がついた瞬間でした。

このことばをきっかけに、自分の態度を見直し、継続的に成果を残せる振る舞いを意識するようにしています。

 

好調なときほど、人は自分を見失う

仕事が順調なときって、気持ちが前に前に出ます。

「自分はできている」「このままいける」 そんな感覚が自然と強くなる。

 

もちろん、それ自体は悪いことではありません。 むしろ、前向きな気持ちは仕事の推進力にもなるものです。

ただ、好調なときほど、

  • 周囲の支え
  • 偶然の要素
  • 自分の弱点

こうした“本来見えているはずのもの”が、少しずつ視界から消えていきます。

成功の勢いに乗っているときほど、 自分を客観視する力が弱まってしまう。

これは、誰にでも起きるごく自然な現象です。

 

そしてこの現象の正体は、心理学でいう 認知バイアスです。

人が意思決定するときに無意識に生まれる“思考のゆがみ”が、 好調なときほど強く働いてしまうのです。

好調時に強まる代表的な認知バイアス

 

バイアス名 内容 起きる影響
自己高揚バイアス 成功を「自分の実力」と過大評価する 周囲の支えや偶然の要素が見えなくなる
過信バイアス 自分の能力を実際以上に高く見積もる 態度が強くなる・謙虚さを失う
確証バイアス 自分に都合のいい情報だけを集める 周囲のアドバイスが耳に入らなくなる
正常性バイアス 「この状態は続くはずだ」と思い込む 危険信号や変化の兆しを見落とす

 

自分を客観視するための方法3選

“映像化”して自分の行動を振り返る

仕事が順調なときほど、私たちは自分の行動を主観で判断しがちです。

「うまくいっているから大丈夫」「このままいける」という感覚が強くなると、 本来見えているはずの“事実としての自分”が見えなくなってしまいます。

そこでおすすめなのが、 自分の1日の行動を“映像化”して振り返る習慣です。

まるでテレビカメラが自分を追いかけているように、

  • どんな表情で話していたか
  • どんな態度で仕事に向き合っていたか
  • 周囲からどう見えていたか
  • 言葉選びは丁寧だったか

こうした“映像としての自分”を思い浮かべるだけで、 主観がいったん切り離され、冷静な視点が戻ってきます。
これは、認知バイアスで歪んだ思考をリセットする効果があり、 好調時に失われがちな客観性を取り戻すのにとても役立ちます。

そして、この「映像化の習慣」は、 キャリアの選択や転職活動でも大きな武器になります。

自分の行動を客観的に見られる人は、

  • 自分の強みを正しく把握できる
  • 弱点を素直に改善できる
  • 周囲からの評価を冷静に受け取れる

こうした“自己認識の精度”が高まり、 キャリアの判断を誤りにくくなるからです。

 

成功の要因を「自分・他者・環境」に分解する

仕事がうまくいっているときほど、 「これは自分の実力だ」と思い込みやすくなります。

勢いがあると、視野が前だけに向いてしまうからです。

 

でも、成功というのは、 自分の力だけで成立しているわけではありません。

 

そこでおすすめなのが、 成功の要因を 「自分・他者・環境」 の3つに分解して整理する方法です。

 

自分(努力・行動・スキル)

自分が頑張った部分。 これはもちろん成功の大事な要素です。

ただ、ここだけにフォーカスすると、自己高揚バイアスが強まりやすい。

 

他者(支援・協力・理解)

先輩のフォロー、チームの協力、顧客の理解。

自分では気づきにくいけれど、成功の裏側には必ず“誰かの支え”があります。

 

環境(タイミング・市場・運)

市場の流れ、偶然の出会い、たまたまのタイミング。

自分ではコントロールできない要素が、成功を後押ししていることも多い。

 

成功の要因を丁寧に言語化すると、 自分の実力だけで成果をつかんだわけではないことに気づけます。

その瞬間、過度な自信や思い込みが静かにほどけていきます。

こうした“認知のリセット”が起きると、 自分の行動をより良い方向へと変えていく力に変わっていくのです。

 

第三者の視点で“自分へのコメント”を書いてみる

自分を客観視するうえで、 いちばん難しいのは「主観を手放すこと」です。

好調なときほど、自分の行動を“自分の都合のいい解釈”で見てしまいがちです。

そこで効果的なのが、 自分の行動を、第三者が見たらどうコメントするかを書き出す方法です。

 

たとえば、

  • 「最近の自分は成果が出ているけれど、少し態度が強くなっているように見える」
  • 「周囲の支えへの感謝が薄れているように感じる」
  • 「焦りが表情に出ているかもしれない」

 

こんなふうに、 “自分を登場人物として扱う”イメージで書いていきます。

ポイントは、 自分を評価するのではなく、観察すること。

まるで他人の行動を見ているように、 淡々とコメントをつけていくと、 主観が静かにほどけていき、 冷静な視点が自然と戻ってきます。

こうして第三者視点で自分を言語化すると、 行動を改善すべきポイントが自然と浮かび上がります。

つまり、どこを変えれば成果につながるのかが、 はっきりと見えるようになる。

そのポイントを正しく理解できているということは、 行動変容のための具体的な打ち手を “自分で選び取れる状態”になっているということです。

 

まとめ

仕事が順調なときほど、人は自分を見失いやすくなります。

視野が狭まり、周囲の支えや偶然の要素が見えなくなり、 「自分はできている」という感覚だけが前に出てしまう。

 

これは、認知バイアスが強く働くことで起きる、 誰にでも起こりうる自然な現象です。

 

だからこそ、

  • 映像化して自分を振り返る
  • 成功要因を「自分・他者・環境」に分解する
  • 第三者視点で自分へのコメントを書く

 

こうした“客観視の習慣”が、 好調時の思考のゆがみを静かに整えてくれます。

 

自分を外側から見られるようになると、 行動を改善すべきポイントが自然と浮かび上がり、 次の成果につながる具体的な打ち手を迷わず選べるようになります。

 

最後に

20代の頃、私は「テレビカメラの視点で自分を見よ」という言葉で、 初めて自分の傲慢さに気づきました。

あの瞬間の“現実に引き戻される感覚”は、今でも忘れられません。

仕事がうまくいっているときほど、 人は自分の姿を正しく捉えられなくなる。

だからこそ、意識的に客観視する習慣が必要です。

冷静さを取り戻せたとき、 好調の勢いは“ただの一時的な運”ではなく、 “継続的な成果につながる力”へと変わっていきます。

 

もし今、あなたが順調な時期を過ごしているなら、 その勢いを大切にしつつ、ほんの少しだけ立ち止まってみてください。

あなたの成功の裏側には、 きっと誰かの支えや、偶然のタイミング、 そしてあなた自身の努力が重なっています。

それらを一度見つめ直すだけで、 あなたの強みはより確かなものになり、 次のステップへ進むためのヒントが必ず見えてきます。

逆に、もし今少し壁を感じているなら、 今日紹介した“客観視の習慣”が、 あなたの視野をそっと広げてくれるはずです。

どんな状況にいても、 自分を外側から見つめる力は、 キャリアを前に進めるための大きな武器になります。

あなたのこれからの選択が、 よりシンプルで、より前向きなものになりますように。